マイホームの打ち合わせをするときに「耐震等級」という言葉をよく聞きませんか?
ハウスメーカーを選ぶときの基準の一つとして「耐震等級」があります。
近年大きい地震が増えてきているので命を守るためにも地震に強い家が欲しいという人は多いのではないでしょうか?
ハウスメーカーや工務店などに地震に強い家が欲しいと伝えると
「うちは耐震等級3が標準です!」
「耐震等級3で最高等級となっています!」
「耐震等級2でやっているところは良くないです!」
と耐震等級3が重要であることをアピールされます。
それを聞いたときに皆さんはどう思いますか?「耐震性が最高等級なら安心!」「耐震等級3じゃないと嫌!」「標準で耐震等級3はうれしい!」
こう思いませんか?
私も最初はハウスメーカーや工務店の営業マンの話を鵜呑みにしてそう思っていました。
しかし、私が聞いていたこの耐震等級3は耐震性としては全然最高ではなかったのです!
耐震等級って3以上あるの?
調べたら耐震等級は3が最高等級となってますけど?
とこの記事を読んでいる皆さんは思ったと思います。
実は耐震等級3は2種類あるのです。
同じ耐震等級なのに2種類あるの?意味わかんない!と思ったそこのあなた!
その通りです。本当に2種類ある意味は分かりません(笑)(きちんと理由はありますが。。。)
では2種類あるのに、なぜ営業マンはそれを教えてくれないのでしょうか?
今回は「本当に地震に強い耐震等級3とはなにか」「なぜ営業マンが耐震等級について教えてくれないのか」「地震に強い耐震等級3の見分け方」について解説いたします。
<この記事のポイント>
①本当に強い耐震等級3とはなにか
②なぜ営業マンは教えてくれないのか
③本当に地震に強い耐震等級の見分け方
今回の記事を最後まで読むことで、耐震等級についての理解が深まり、営業マンのセールストークに騙されず、本当に地震に強い家を手に入れることができるようになります!
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よく見る耐震等級3は品確法の耐震等級
品確法とは
品確法とは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」のことです。今の住宅は品確法に基づく住宅性能表示で省エネ性や耐震性、断熱性などが決められています。
品確法の耐震等級とは
品確法における耐震等級は1~3まであります。これがみなさんがよく見る耐震等級です。
品確法に基づいた計算で求められた耐震等級1は建築基準法で定められた最低限の耐震性のことです。正直大きい地震が来ることを考えると相当不安な耐震性です。
耐震等級2は耐震等級1の1.25倍の耐震性があるということで、耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の耐震性があると定められています。
公共施設は耐震等級2以上、消防署や警察署などは耐震等級3で作られており、営業マンからそう言われて安心するかもしれません。
しかし、品確法で定められている耐震性は少し心配点があるのです。
それはなぜかというと、耐震性を求める計算が「簡易的」だからです。
具体的には壁(耐力壁)の量や床倍率の計算などで、計算用紙一枚で終わってしまいます。。。
地震から命を守る耐震性の計算が計算用紙一枚終わってしまうのって不安じゃないですか?
本当に地震に強い耐震等級とは何なのかということを次から説明いたします。
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本当に強いのは許容応力度計算
許容応力度計算とは
許容応力度計算(きょようおうりょくどけいさん)は構造計算の計算方法です。
品確法に基づく計算が簡易計算だと先ほど説明しましたが、許容応力度計算はすごく詳しい計算方法と言えます。
どのくらい詳しいかというと、品確法が計算用紙1枚程度で終わるのに対して許容応力度計算はA4用紙数百枚と膨大な量になります。
実際に私の家も許容応力度計算で構造計算をしてもらいましたが600枚越えの書類となりました(笑)
これだけでもすごい計算法に見えますが、許容応力度計算は誰でもできるわけではなく、1級建築士でないとやってはいけないのです!
できる人が限られており、さらに数百枚にわたる計算結果で地震に強いですよと言われたら心強いですよね?
ですが、ここで皆さんが疑問に思うことがあると思います。
詳しい計算でも簡易計算でも耐震等級3ならそんなに変わらないんじゃないの?
この答えは「NO」です。次からその違いについて解説していきます。
品確法の耐震等級と許容応力度計算の耐震等級は全く別物!
品確法も、許容応力度計算も耐震等級は3までしかありません。
ですが、同じ耐震等級でも地震への強さは全然違うものになります。
こちらの画像をご覧ください。
このように品確法の耐震等級3の耐震性は許容応力度計算の耐震等級2に負けてしまうのです。
これを見ると、広告で見たり、営業マンから言われる耐震等級3は少し不安じゃないですか??
では次に、なぜこの事実を教えてくれる営業マンが少ないのか解説していきます。
営業マンが教えてくれない理由
許容応力度計算は手間と費用がかかる
許容応力度計算は先ほど説明した通り、A4用紙何百枚もの計算となり、できる人も一級建築士と限られています。
また専用のソフトを使わなければいけないなど、手間もコストもかかります。
現在の戸建て住宅は許容応力度計算は必須ではなく、特例(4号特例と言います)で品確法の計算のみでOKになってしまっているのです。
なので許容応力度計算の説明はされずに何の説明もなく品確法のみで耐震等級が出されてしまうのです。
また、許容応力度計算を行うには上記の理由で別途費用がかかることが多いです。
費用も安くはなく数十万することもあります。。。
予算が決まっている人やなるべく費用を抑えたいという人には営業マンも勧めにくいのかもしれません。
間取りに制限が出てしまうことがある
許容応力度計算で耐震等級3にしようとすると強度の高い住宅となるので、柱の数が増えたり、耐力壁が増えるだけでなく、柱や耐力壁のバランスもみているのでどうしても間取りに制限が出てしまうこともあります。
自由設計が売りの注文住宅で間取りに制限が出てしまうのは少し残念な点ではあるので、それも教えてくれない理由の一つと考えられます。
そもそも営業マンも知らない
これは一番最悪なパターンです。「営業マンが知らないわけないでしょ~」と皆さんは思っているかもしれませんが、私の担当営業マンは「許容応力度計算」という言葉を知りませんでした。。。
許容応力度計算で耐震等級3なんですよね?と聞くと「当然です」と自信満々に言っていましたが、もらった資料などを見ていると明らかに品確法だけに思えたので何度か確認したところ、営業マンが「許容応力度計算」を知らなかったようです。
みなさんが調べた知識は営業マンが全員知っているわけではないので都度確認しながら打ち合わせを勧めてくださいね!
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見分け方は許容応力度計算をしているかどうか
最後に許容応力度計算で耐震性を計算しているどうかの見分け方を伝授いたします。
これを知っているだけで営業マンの説明を鵜呑みにすることなく、納得して耐震性の高い家づくりをすることができます。
見分け方① 許容応力度計算で構造計算をしていますか?と聞いてみる
まずはシンプルに構造計算は「許容応力度計算」でしていますか?と聞いてみましょう。ちゃんと分かっている営業マンなら答えることができるはずです。
そもそも標準で許容応力度計算をしているハウスメーカーや工務店であればより耐震性の高い家づくりが売りのはずなので、こちらから聞かなくても教えてくれると思いますが。。。
標準でやっていなくても、追加費用でできるところは多いので、許容応力度計算による構造計算ができるのであれば費用も確認しておきましょう!
見分け方② 構造計算書を見せてもらう
①で確認しても分からない場合はハウスメーカーや工務店で取り扱っている構造計算書を見せてほしいとお願いしてみましょう。
構造計算書はすでに説明した通り、許容応力度計算ではA4サイズで何百枚もの書類が作成されます。しかし、品確法による簡易計算ではA4一枚程度で終わってしまうので、見せてもらえば一目瞭然ですよね?
また、許容応力度計算は建築基準法に基づいており、令82条に定められています。
構造計算書を見る際には冒頭の方に「令82条〇号に基づく~」等の文言が入っているはずなのでそれも確認しておきましょう!
見分け方③ 構造計算書のサイズと枚数を聞く
構造計算書を見せてほしいと言っても見せられないと言われる場合もあると思います。
その時には構造計算書の用紙のサイズと枚数を聞いてみましょう。
②で説明した通り、許容応力度計算書はA4サイズで何百枚にもなります。
これがA3サイズだったり、枚数が少なかったら簡易計算の可能性が高いです。
これらを聞いてみても分からないようであれば、そのハウスメーカーや工務店で本当の耐震等級3で家づくりをすることは難しいと思いますので、別なハウスメーカーや工務店も検討してみましょう。
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まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
今回は本当に地震に強い耐震等級について説明をいたしました。
品確法の耐震等級3でも地震には強いのでしょうが、日本では大きな地震が増えてきている現状がありますので、より耐震性の高い家づくりをして、家族の命を守れる住まいを皆さんにも作ってもらいたいと思っています。
実際に国は許容応力度計算ではなく、品確法の簡易計算で認めるという特例を取っていましたが、とうとう法律が改正され、2025年からは許容応力度計算が必須となるようです。
それだけ耐震性が重要視されてきたということだと思います。
みなさんもこの記事を参考に地震に強く、家族を地震から守れる住まいづくりを始めてみてください!
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